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【奥の細道】 脚本No.11 教秀 作

(貞寿3年 1686年 雨の季節 深川芭蕉庵にて)

仙北『朝、早くより、本日40名ちかくの方々がここにお集まりいただきまして、ありがとうございます。わたくし、今回、宗匠よりまとめ役を仰せつかりました仙北と申します。よろしくお願い致します。早速でございますが、今回は趣向を変えまして、無記名の句合わせをし、優劣を競いたいと存じます。題は蛙とします。これより、この近辺を吟行していただき、一番良い句をお一人一点午後に提出し、無記名で2点を詠み、皆様の批評をいただきたく思います。』

素堂『これは愉快。まるで、蛙合わせだ。やる気が出てきましたよ。』

仙北『では、皆様、ごゆるりと吟行くだされ。』

(芭蕉庵の池のほとり)

其角『宗匠さま、蛙とくれば、山吹と決まっておりますよね。』

芭蕉『今までのとらわれを一旦外して、無の境地で、世の動き全てを観察することがわしは大切であると思いますがね。』

其角『はあ、おっしゃるとおりです。』

(午後、句が出揃い、批評を受ける場。)

では、1番左「古池や蛙飛んだる水のおと」(芭蕉)右「いたいけに蛙つくばう浮葉かな」(仙北)※のちに左芭蕉の推敲により、出版時、変更となる。

仙北『批評はございませぬか。』(一同静寂)

仙北『投票もありませんでしたので、勝敗なしと致します。』

2番左「雨の蛙声高になるも哀れなり」(素堂)右「泥亀と門をならぶる蛙かな」(文鱗)

杉風『右は擬人化しておるが、素直に見た左雨の蛙が良いと思う。』

仙北『皆の投票も合致し、左勝ちと致します。』

3番左「けろけろとわが面守る蛙かな」(嵐蘭)右「人足を聞き知り顔の蛙かな」(孤屋)

宗派『左わがつら守るがなんとも言えず、良いひびきじゃのう。』

仙北『皆の投票により、左勝ちと致します。』

4番左「木のもとの氈(せん)に敷かるる蛙かな」(翠紅)右「妻負(お)うて草にかくるる蛙かな」(濁子)※毛氈=獣の毛を織物にした布。

嵐蘭『左右の句とも、作者の視点に独自性を感じますなあ。』

仙北『皆の投票は同数、引き分けとあいなります。』

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