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【奥の細道】 脚本No.9 教秀 作

(翌年、天和3年1683年冬 隅田川ほとり) 仏頂禅師『おお、芭蕉どのではござらぬか。この辺りも、焼け野原からはすっかり変わり、ぽつぽつと家が建ちもうした。貴殿のところを朝よくとおりかかった折、門人方がせっせと庵を再建されていたので、どうしたことかと気になっておりもうした。』 芭蕉『実は、甲斐谷村藩(山梨県都留市)国家老高山どののところに身を寄せておりまして、その後、門人杉風らの助力で、再び深川に戻ることができました。ありがたいことです。』 仏頂禅師『そうでありましたか。』 芭蕉『立ち話も何ですので、さあさあ、お入りくだされ。』 (芭蕉庵にて) 仏頂禅師『今日は寺社奉行への裁定の帰りでな、何とか鹿島(茨城県)の寺領の件も一段落しました。まずは、ほっとしました。』 芭蕉『そうでありましたか。去年の大火から、全てが変わってしまった感じですな〜。』 仏頂禅師『ところで、江戸の町なかでは、荘士の本が売れているようでありますが、寓話ばかりが誇張され、本質を書いたものが皆無の状況です。面白ければ、売れるというものばかり。』 芭蕉『以前、ご坊よりお聞きした老荘の真髄は、今でも忘れられません。特にわたくしは去年の大火を経験し、世のはかなさを身をもって経験させていただきました。』 仏頂禅師『ああ、思い出しました。胡蝶の夢(こちょうのゆめ)のことでありましょう。』 芭蕉『はい、そのお話を皆にわかりやすく、臨川寺にて、説いておられました。とても深い意味合いがあることをご坊に教えていただきました。』 仏頂禅師『まさに、この世は一瞬の夢のよう、しかし、尊いもの。色即是空 空即是色の境地です。』 芭蕉『わたしも、その心境のもと、旅に出て、一連の心からわき上がる言葉と感動を句に詠み留めておきたいと思うようになりましてな、旅の句集を考えておったところでございます。』 仏頂禅師『それは妙案ですなぁ。話を聞いただけでもワクワクします。』

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