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【奥の細道】 脚本No.4 教秀 作

(日本橋が一望できる遊郭二階のシーン、襖越しに沙弥・太鼓・飲み騒ぐ声・芸者の踊り)

宗房『皆様にお知らせしたき儀これあり、この場を借りてお伝え申します。今まで宗房の名でしたが、改めまして、桃青になりもうした。』

(一瞬、場が鎮まり、どよめきがおきる。)

熊吉『宗房先生、いや桃青せんせい、おめでとうございます。』

太郎兵衛『これはめでたい。さ、さ、乾杯じゃ。』

(余興のシーン)

弥助『先生、俳諧は芸事。お客がいて、成り立つもの。だから、お客の日頃のうっぷんばらしの場となるところ。所詮、芸ごとは全て遊び。な〜んにも銭を産みません。』(飲んで絡んでくる)

桃青『これは、これは普段の弥助どのとは大違い。飲み過ぎは、体にこたえますよ。』

弥助『俺がここで飲めるのも、太郎兵衛さまに拾われたおかげ。感謝してますゼェ、あるじに酒をつぎにいかなきゃ。』(足につまづき、大騒ぎ)

(二階の外の景色を見ながら、酔いを覚ましているシーン)

太郎兵衛『おお、ここにおいででしたか、実はいい話が舞い込んできましたよ。』

桃青『いい話とは。』

太郎兵衛『神田上水場の大仕事をうちが引き受けることになったんですよ。そこで、宗房どの、ああいや桃青どのには事務方の仕事と現場の仕事を兼務してもらいたいんですよ。もちろん、これまでの2倍の給金を出しましょう。いいですか。』

桃青『太郎兵衛どのに何もかもお世話になっているわたくしとしましては、そのお話に乗るしか道はありませんな。』

太郎兵衛『そうこなくちゃ、仕事も俳諧も存分にお頼み申しますよ。』

    (二人の笑い声) 

(月夜の帰り道のシーン)

桃青『亡き殿の使いで見た峠の月を思い出すなぁ、月は変わらず丸いのに、江戸の月は少し汚れて見えるのは気のせいか。芸ごとは遊びか、亡き殿がお聞きになったら、さぞお怒りなっただろうな。わたしは何も反論できなかった。』

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